親権争いのポイント

①行動する前にまず相談、、、
②裁判所で争うには、信頼できる専門家(弁護士)が必要です。

一般的には男性側が親権者になるのは難しいと言われていることもあって、最初から親権獲得を諦めてしまう方がいます。
そもそも、なぜ男性側が親権者となるのが難しい、と言われているのでしょうか。

親権を決めなければならない場合

夫婦間に未成年の子がいる場合、夫と妻のどちらを親権者にするか決めなければ、離婚することができません。
どちらを親権者とするかについて、話し合いや調停手続でも決まらない場合には、裁判手続で解決を図ることとなります。
裁判上の和解ができない場合は、最終的には、裁判官がどちらを親権者にするかについて判決で判断することになります。

監護の継続性が重視される

裁判所で親権が争われる場合は、どちらが親権者となった方が子の福祉の観点から望ましいかを中心に争われます。その際、特に、監護の継続性維持の原則が重視されます。

妻が育児を放棄したり、適切な養育をしないために、徐々に、仕事も家事も夫だけが担うようになっていたというケースや、夫が仕事で不在時に妻が子どもに身体的虐待や心理的虐待を繰り返していたというケースでは、夫が親権者となる可能性が高まります。

また、妻に子どもの障害に対する理解がないために、障害の特性に合わせた養育ができず、子どもに対する虐待につながる危険性がある場合も、夫が親権者として適切であると判断される可能性が高いでしょう。

これに対して、妻の監護に問題がなく、夫も主体的に家事・育児に参加してきたといったケースでは、裁判所は難しい判断を迫られることとなります。

男性側が親権者となることを望む理由

男性側が親権者になることを望むのは、どういった場合でしょうか。

妻が育児を放棄したり、妻による養育が適切でない場合に、子どものために自分が親権者となって養育していきたいというお気持ちを持たれる方が多い印象です。

どのような場合に弁護士に相談すべきか

離婚が頭をよぎったときや、夫婦で離婚や親権の話が出てきたときには、弁護士に相談することをおすすめします。

男性側が親権者になれる事案かどうか、お話を伺ったうえで、手続きの進め方等についてアドバイスします。

多くの事案では女性側が親権者となるため(離婚時に男性側が親権者となるのは1割弱にとどまります)、自分が親権者になれるか不安になる方も多いようです。

妻が一人で自宅を出て別居し、夫が子どもと同居している場合であっても、妻に親権を取られてしまうのではないのかと不安になってしまう方もおります。

また、妻が子どもを虐待し、見るに堪えないことから、子どもと一緒に実家に避難した場合ですら、そのような不安を抱えてしまう方もいます。

さらには、妻がそのような状態になってしまったのは自分の責任だと、自分を責めてしまう方もいます。

こうした不安を抱える場合も弁護士に相談することをおすすめします。

妻が先に子どもを連れて別居をする場合もあり、迅速に動かなければならないケースもあります。

また、子どもが父親との同居を望んでいるのに、母親が無理やり子どもを連れて別居しようとするケースもあります。

このような場合は、すぐに弁護士に対応を相談すべきです。

親権者でなくても子どもと関わることは可能か

親権を譲ってしまうと、子どもに会えなくなるのではないかといった漠然とした不安から、親権を譲る気持ちにならないといった方がいらっしゃいますが、面会交流という形で子どもと定期的に会う方法があります。

同居時に子どもに対する虐待があったケース等、ただちに直接的な面会交流を行うことが適切でない場合もありますが、これまでの状況を踏まえて、面会交流は可能か、可能な場合はどういった方法で面会交流を実施していくべきかについて、弁護士と相談して考えを固めておく必要があります。

親権者になるのが難しそうな場合や親権を相手に譲ることに決めた場合は、子どもと定期的に会う機会を確保すべく、面会交流の実現や条件について相手方と話し合うことが必要になりますが、当事者同士での話し合いが難しい場合には、弁護士を代理人にして交渉したり、調停を申し立てることになります。