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息子の離婚に親ができることとは?息子の離婚に悩むご両親のために

息子さんの離婚に直面したときは、感情的にならず、離婚問題に強い弁護士への相談に繋げることが重要です。また、祖父母と孫の交流は2026年の民法改正で広がる見込みですが、それまでは元お嫁さんへの思いやりを忘れず、同席提案などで機会を探ると安心です。養育費の肩代わりは息子さんの自立やご自身の老後に影響するため、深刻な事態を招く可能性があります。親権争いでは、孫の送迎や看病など具体的に手伝える体制を示すと心強い後押しになります。このような場合、離婚問題のプロである弁護士への相談が不可欠です。

「息子の離婚」という現実に直面し、大切な孫に会えなくなってしまうのではないか、養育費の支払い等で経済的に困窮する息子を親としてどう支えていけばいいのかと、不安になる親御さんも少なくないでしょう。

この記事では、「息子の離婚」で悩むご両親が抱えがちな問題に対し、親としてできること、そして知っておくべき法的知識と正しい対処法を網羅的に解説します。

なぜ?離婚しない・動かない息子への苛立ちと正しい対処法

「妻からDVやモラハラの被害を受けているのに、息子が何もしようとしない。」「長年別居しているのに、一向に離婚話が進まない。」

こうした状況に、親として歯がゆさや苛立ちを感じることもあるでしょう。しかし、息子さんを責めても事態は好転しません。息子さん自身が、精神的に追い詰められていて、動けなくなっている可能性があるからです。

親としてすべきことは、感情的になって息子さんを叱咤激励することではなく、客観的な視点から解決への道筋を示してあげることだと思います。

その最善策が、離婚問題に強い弁護士への相談に繋げることです。専門家という第三者が入ることで、息子さんも冷静に自身の状況と向き合うきっかけを得られるはずです。

孫に会えない悩みは解消できる?「面会交流」の今と民法改正

息子の離婚で最も辛いことは、可愛いお孫さんに会えなくなることかもしれません。特に、親権が母親側に渡った場合、祖父母の面会はさらに難しくなる傾向があります。

これまでの法律では、祖父母が孫に会うための法的な権利は、残念ながら明確には認められていませんでした。

しかし、2026年施行予定の改正民法により、祖父母などの親以外の親族も、孫との面会交流を求める調停や審判を申し立てることが可能となり、家庭裁判所が「子の利益のため特に必要がある」と判断した場合は、面会交流が認められるようになります。ただし、無条件に認められるわけではなく、あくまでもお孫さん自身の心の安定や健全な成長にとって、祖父母との交流が「特に必要」だと客観的に判断された場合に限られます。

では、民法の改正前に、できることはないのでしょうか。

  元のお嫁さんにとって、元夫である息子さんだけでお子さんを会わせることに不安を感じるケースは少なくありません。そこで、祖父母が「サポーター」として同席することで、安心して会わせてくれる可能性があります。これは、第三者の交流支援機関を利用する費用や手間を避けたいと考える当事者にとっても、受け入れやすい提案となる場合があります。また、第三者機関が近くにない場合にも、円滑な面会を実現する有効な手段として選択されることがあります。

面会交流の条件を話し合う中で、元のお嫁さんに対し、祖父母の面会交流への同席を提案できないか、息子さんと相談してみましょう。

いずれの方法も、大切なのはお孫さんの気持ちと元のお嫁さんへの配慮です。決して感情的にならず、息子さん夫婦の問題に敬意を払いながら、あくまで「孫の健やかな成長を願う存在」として協力的な姿勢を示すことが重要です。

「息子の離婚」で絶対NG!養育費の肩代わりに潜む3つのリスク

経済的に苦しい息子のために、親が養育費を肩代わりする場合があります。

息子のことを心配し、可愛いお孫さんのためにと養育費を肩代わりする気持ちはよく分かります。しかし、その愛情が、かえって深刻な事態を招いてしまうことをご存知でしょうか。

リスク1:息子の「責任感」と「自立」を奪ってしまう

親からの援助が当たり前になると、息子さん自身が、養育費について、「子どもの親として支払うべきお金」という自覚と責任感を失いかねません。

収入が減った、再婚して子どもができた等の事情があり、養育費の減額調停を申し立てるべき場面でも、本人が養育費を負担していないと、何もしようとせず、結果的に息子の経済的自立を妨げることになります。

リスク2:親自身の「老後破綻」に繋がる

孫が幼い時に離婚すると、養育費の支払いは10年、20年と続きます。ご自身が退職して年金生活になった後も、養育費の支払いを継続することが可能かどうか、冷静に考える必要があります。愛情ゆえの肩代わりが、ご自身の老後の生活を脅かすことになりかねません。

リスク3:安易な保証契約が招く法的義務

離婚の際に、息子の妻から養育費の保証人になるよう求められることがありますが、保証人になるのは避けるべきです。保証人になってしまうと、息子が養育費を支払えなくなったときに、親に法的な支払い義務が生じます。これは単なる「肩代わり」ではなく、法的に強制される重い責任です。

息子さんが借金を抱えていることが原因で保証人になるよう求められた場合には、保証人になるのではなく、弁護士に相談して「債務整理」を検討させることが、根本的な解決に繋がるでしょう。

息子の「親権争い」で祖父母ができる重要なサポートとは?

離婚の際に、息子さんが子どもの親権を争うことになった場合、祖父母の存在が大きな力になります。

裁判所は、どちらの親と暮らすことが「子の利益」に繋がるかを重視して判断しますが、親の監護能力を補う「監護補助者」の存在が重要視されるからです。

祖父母として、「孫の日々の送迎を手伝える」「孫が病気になった時に看病できる」「息子と孫に安定した住環境を提供できる」など、具体的なサポート体制を明確に示せるように準備しておくことが、息子さんにとって何より心強い支援となります。

まとめ

「息子の離婚」は、ご家族全員にとって非常に大きな問題です。しかし、親が問題を背負い込み、感情的に動いてしまっては、解決は遠のくばかりです。

親としてできる最大のサポートは、冷静に、そして戦略的に問題解決へと導くことであり、そのためには、離婚問題のプロである弁護士への相談が不可欠であるということをお伝えさせていただきます。

執筆者プロフィール

藤田聖典
藤田聖典
事例紹介: 41件

弁護士(岐阜県弁護士会)
愛知県立旭丘高校・慶應義塾大学卒業後、日本放送協会に入局し番組制作・取材に従事。同局退職後、東洋大法科大学院を経て弁護士に。
以来、離婚・男女問題、企業法務を中心に、地域密着の弁護士として活動しています。多治見さかえ法律事務所では、開業以来、男性の親権獲得ケースも複数関わっています。
岐阜県弁護士会の子どもの人権センターに所属し、児童虐待やいじめといった、子どもの権利に関する活動に積極的に携わっています。
令和4年から多治見市子どもの権利擁護委員を務めています(令和5年度は同代表委員)。岐阜県内の県立高校のいじめ重大事態の第三者委員会の委員に選ばれ、重大事態の調査を行うこともあります。

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