疎遠な親族や知らない親族等から突然相続の連絡が来たり、相続関係の書類が送られてきた場合、どのように対応したらよいのでしょうか。
突然の連絡に戸惑い、返事をすべきかどうか迷っている方もいると思います。また、返事をするにしても、どのような返事をすべきか分からず、戸惑っている方もいると思います。
しかしながら、連絡を無視して放置すれば、他の相続人に迷惑をかけるだけでなく、あなた自身も不利益を被るリスクがあります。また、書類に署名・押印した後にその効力を否定するのは難しいため、内容をよく理解しないまま署名・押印してしまうと、後悔することになりかねません。
今回は、疎遠な親族や知らない親族等から突然相続の連絡が来た場合の対処法について解説します。
1. 遺産分割協議書が送られてきた場合
疎遠な親族や知らない親族から、突然、遺産分割協議書など相続に関する書類が送られてくることがあります。
しかしながら、遺産分割協議書に記載されている内容が公平であるとは限らず、一方的な分割案を提示されているかもしれません。あなたが本来受け取れるはずの遺産よりも少なかったり、価値の低い遺産を押し付けられたりする等、あなたにとって不利な内容である可能性があるのです。
ですから、遺産分割協議書に署名・押印する前に弁護士等の専門家に相談し、内容についてよく確認したうえで対応することが望ましいです。
なかには、遺産分割協議書の内容を十分に把握しないまま、署名・押印してしまい、後から不利な内容であることを知って、遺産分割をやり直したいという方がいます。しかしながら、遺産分割協議書に署名・押印し、遺産分割協議が成立してしまえば、その効力を否定するのは著しく困難です。
疎遠な親族や知らない親族と直接やり取りしたくない場合は、弁護士に依頼することを検討してください。
2. 相続放棄を求められた場合
疎遠な親族や知らない親族から突然連絡がきて、相続放棄を求められることがあります。亡くなられた方が多額の借金を抱えており、プラスの財産よりもマイナスの財産の方が上回っている状況であれば、あなたが借金を相続しなくても済むよう、相続放棄を提案しているものと思われます。
しかしながら、多額の借金がある等の事情もないのに、あなたを相続人から排除する目的で相続放棄を求めている可能性もあるので、安易に応じるべきではありません。
また、相続放棄を求めてきているのに、相続放棄に関する書類ではなく、「相続分放棄」や「相続分譲渡」に関する書類が送られてきた場合は、さらに注意が必要です。
相続放棄の期限は自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内なので、迷っている時間はありません。どうしたらよいか分からない場合は、速やかに弁護士等の専門家に相談してください。
3. 空き家・不動産に関する相続連絡
自治体から、「空き家の相続状況確認のお願い」といった通知が送られてくることがあります。空き家の登記名義人が死亡しており、誰が管理しているのか分からない場合に、自治体が相続人を調査し、適切に管理するよう求めるために送付しています。空き家の登記名義人が疎遠な親族であり、身に覚えのない相続であっても、相続人である以上、空き家を適切に管理する責務を負うのです。
空き家を相続したくない場合は相続放棄をすることになりますが、相続放棄の期限は自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内なので、迅速な対応が必要になります。
空き家を相続する場合は、他の相続人を調査し、遺産分割協議をすることになります。空き家を相続したことを知った日から3年以内(令和6年4月より前の相続については、令和9年3月末まで)に相続登記の申請を行う義務があるため、迅速な対応が必要です。
疎遠な親族や知らない親族から突然相続の連絡が来た場合や、自治体から通知が送られてきた場合、よく分からないまま自分で対応するのではなく、遺産や相続問題に詳しい弁護士に相談したうえで対応することを強くお勧めします。