1. モラハラ夫・妻の特徴

モラハラとは、「モラルハラスメント」の略で、精神的暴力・精神的虐待をいいます。

モラハラをする人は、言葉や態度による精神的暴力で相手の心を傷付けて自尊心を奪い、判断能力を低下させて、相手をコントロールしようとします。

社会的評価の高い、外面の良い人物が多く、周囲からは良い配偶者と見られていたりします。弁が立つタイプが多く、独自の理論で畳みかけてきて、相手が反論しようものなら、猛烈な勢いで、理詰めで言い負かそうとします。相手を徹底的に攻撃して、屈服させようとするのです。自分を正当化することが得意で、少しでも分が悪くなると、話をすり替えて論点をずらしたり、持論を展開したりします。

また、突然、些細なことを持ち出して、相手に非があるかのように怒り出したり、相手がまるでそこに存在しないかのように、完全に無視したりすることもあります。

さらに、自分が優位に立つために、相手のことを見下してばかにするだけでなく、相手の家族や親戚、友人までばかにしたり、悪口を言ったりもします。

モラハラをする人は、自己中心的で人の話を聞かず、自分の非を認めて心から反省することはめったにありません。

2.モラハラ離婚の方法~モラハラに理解のある弁護士にご相談ください。

モラハラは身体的暴力と違って外から見えにくいことから、他人に説明しても分かってもらえないことが多く、モラハラの被害に遭われている方は、「相手を怒らせる自分が悪いのかもしれない。」「自分さえ我慢すればよいのではないか。」などと考え、限界まで我慢してしまう傾向があります。その結果、精神的に追い込まれてしまい、抑うつ状態になる等、心身に不調をきたしてしまう方が多いです。また、親の心にゆとりがないことで子どもにも悪影響を及ぼしてしまい、子どもが精神的に不安定になるケースもあります。

モラハラをする人と話し合いで解決することは困難ですので、まずは別居して距離を置き、心身の回復に努めて、本来の自分を取り戻されることをお勧めします。そもそも、同居したままでは、客観的に見て婚姻関係が破綻しているかどうか分からないため、裁判官に離婚を認めてもらうことが難しいです。

話し合いができない相手と協議離婚を成立させることはできず、調停・裁判といった法的手段を取らざるを得ないことが多いのですが、モラハラをする人は、自分の非を認めず、ああ言えばこう言うで、モラハラの事実をことごとく否定したり、言い訳したりするため、法的手段を取ったとしても、離婚成立までに時間が掛かることが多いです。

意を決して弁護士のところに相談に行っても、モラハラについて十分な理解がない弁護士から、「そんな理由では離婚できない。」「子どもがいるのだから、もう少し我慢したらどうか。」などと言われて、さらに傷付くことになります。モラハラについて十分な理解がある弁護士に相談しながら、一緒に手続を進めていくことをお勧めします。