身内の方が亡くなった後は、相続人の確認、戸籍の収集、預貯金・不動産・証券などの遺産の調査、遺産分割協議、金融機関の口座の解約・払戻し、不動産の相続登記など、多くの手続が必要になります。
相続人が少なく、財産の内容が明確で、相続人同士の関係も良好であれば、ご自身で手続を進めることも可能だと思います。しかし、相続人が多い、疎遠な親族がいる、相続財産を把握していない、遠方の金融機関に複数の口座があるといった事情が重なると、手続は想像以上に煩雑になります。
この記事では、相続手続について弁護士に相談した方がよい代表的なケースを、岐阜県多治見市を始めとする東濃地域の実情も踏まえて解説します。
弁護士に相続手続きを依頼した方がよい4つのケース
1 他の相続人と直接やり取りしたくない・できない場合
(1)感情的な対立が予想される場合
これまでの関係性や相手方の対応によって、感情的な対立が生じるケースがあります。
例えば、次のような場合です。
- 過去の出来事がわだかまりとなっており、直接話ができる状態ではない。
- 長年疎遠だったので、協力を求めるのが難しい。
- 相手方から一方的な内容の書面やメールが送られてくる。
(2)会ったことも話したこともない場合
相続人同士の仲が悪くなくても、直接の話し合いに負担を感じる方もいらっしゃいます。
被相続人に子がおらず、兄弟姉妹も亡くなっており、甥・姪が相続人になるケース、つまり、いとこ同士が相続人となるケースでは、一度も会ったこともなければ、話したこともないというような他人に近い間柄の人と話し合いをしなければならないことがあります。
また、両親が離婚した後、別の人と再婚して新たに子をもうけた後に亡くなったという場合には、異母兄弟姉妹・異父兄弟姉妹と相続について話し合う必要性が生じます。
(3)そもそも相続人の範囲も連絡先も分からない場合
いとこ同士が相続人となるケースや、被相続人が再婚してそれぞれに子や養子がいるケースでは、手続のために必要な戸籍が多くなることもあり、戸籍収集の段階でつまずきがちです。
そもそも、誰が相続人なのかが分からなかったり、相続人の連絡先が分からないというケースも見受けられます。
弁護士を代理人にすれば、弁護士が連絡窓口となって、戸籍の収集、他の相続人の住所の調査、他の相続人への連絡、遺産分割案の提示、条件交渉などを行います。これにより、戸籍を集めたり、相続人に連絡する負担をなくすことができます。
また、相続人の調査をしても、相続人の所在や生死が判明しないことがあります。その場合には、不在者財産管理人の選任など、家庭裁判所での手続が必要になります。選任にあたっては、事案や不在者の財産状況に応じて予納金を求められることがあります。
2 仕事や家事と並行して手続を進めることが難しい場合
相続手続では、市区町村役場、法務局、税務署、金融機関など、平日の日中しか窓口が開いていない機関で手続を行わなければならないという問題に直面します。
また、窓口に足を運ぶことはできても、戸籍を集め、財産を調べ、相続人へ連絡し、金融機関ごとの書類を確認し、署名・押印を集める作業は、仕事、家事、育児、介護で忙しい方には大きな負担となります。
中には、被相続人と同居していた相続人や、通帳などを管理していた相続人が財産資料を開示してくれず、自ら金融機関に問い合わせて資料を集めざるを得ないケースもあります。相続人であれば、自分で金融機関に対して残高証明書や取引履歴を請求することができますが、資料を集めるのが煩雑であったり、日中は仕事等で窓口に行けないこともあります。
このような場合には、弁護士に依頼して手続を委ねるという選択肢も考えられます。
3 遠方の銀行や複数の金融機関に口座がある場合
金融機関の相続手続では、戸籍又は法定相続情報一覧図、印鑑証明書、遺産分割協議書、金融機関所定の相続届などの提出を求められます。必要書類や手続方法は金融機関ごとに異なりますが、複数の金融機関に口座があると、同じような作業を何度も行うことになります。
また、岐阜県内に住んでいた方の場合、メガバンクやゆうちょ銀行以外の地方の金融機関の口座が見つかることも珍しくありません。
例えば、多治見市内には三菱UFJ銀行多治見支店の他、十六銀行、大垣共立銀行、東濃信用金庫、岐阜信用金庫、JAとうと(陶都信用農業協同組合)などの金融機関があります。特に、東濃信用金庫やJAとうとは多治見市内に限っても複数の店舗があり、被相続人が同一金融機関の複数支店に口座を保有していることがあります。相続人が遠方にお住まいで近くに支店がない場合、金融機関とのやりとりが負担になりますし、口座開設支店でないと相続手続に応じてもらえない金融機関の場合には、近くに支店があっても、口座開設支店まで足を運ばざるを得ないこともあります。
弁護士に依頼すれば、金融機関への連絡、相続書類の取り寄せ、残高証明書や取引履歴の取得、預貯金の解約・払戻しなどを全て任せることができます。
- 被相続人が多治見市や可児市などに住んでいたものの、相続人が東京、大阪、北海道など遠方に住んでいる方
- 被相続人が十六銀行、大垣共立銀行、東濃信用金庫、岐阜信用金庫、JAとうとなど、岐阜県東濃地域の複数の金融機関に口座を保有していた方
- ご自身は多治見市や東濃地域に住んでいるものの、被相続人が遠方に住んでおり、その地域の地方銀行や信用金庫の手続に困っている方
このような方は、ぜひ多治見さかえ法律事務所へご相談・ご依頼ください。
4 長期間、相続登記がされていない土地がある場合
2024年(令和6年)4月1日から相続登記が義務化されたことにより、不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内が申請の期限となっています。正当な理由なく違反した場合は、10万円以下の過料の対象となる可能性があります。
2024年(令和6年)4月1日より前に発生した相続でも、原則として2027年(令和9年)3月31日までに対応しなければなりません。
土地の名義が、亡くなった父母や祖父母のままになっているケースは数多く存在します。相続登記をすることなく長期間放置し、相続が二代、三代と重なると、相続人が増えてしまい、遺産分割協議をすることが困難になります。
遺産分割がすぐにまとまらない場合には、相続人申告登記によって申請義務を履行する方法もあります。ただし、これは誰が不動産を取得したかを確定する相続登記とは異なるため、遺産分割が終了していないことに変わりはありません。そのため、最終的には遺産分割と相続登記を行う必要があります。
交渉・調停・審判まで一貫して対応できるのが弁護士の強み
相続には、税理士、司法書士、土地家屋調査士など、複数の専門家が関わります。
しかしながら、依頼者の代理人として他の相続人と遺産分割の条件に関する交渉をしたり、家庭裁判所の遺産分割調停・審判に手続代理人として対応できるのは弁護士だけです。
弁護士は、書類作成だけでなく、相手方との連絡、交渉、調停・審判まで継続して対応することができます。調停期日には弁護士が同行して、主張を整理したり、資料の提出を支援することができますし、本人は出席せず、弁護士だけで対応することもできます。遠方の裁判所が管轄の場合は、弁護士の事務所から、ウェブ会議や電話会議を利用することもあります。
また、弁護士が全体を整理し、税金関係については税理士、登記については司法書士という形で連携することによって、「誰に何を依頼すればよいか分からない」という状態を防ぐことができます。不動産の売却や建物の解体が必要な場合には、地域の不動産業者や解体業者などと連携して、相続人への連絡を含めて対応します。
まずは多治見さかえ法律事務所へ相談を
多治見さかえ法律事務所では、相続人同士で争いが生じている場合だけでなく、相続手続をご自身で進めることに負担を感じている方からのご依頼にも対応しています。
「相続人同士で揉めているわけではないので、弁護士に相談するほどではない」と考える方もいらっしゃると思います。
しかし、相続手続が進まない原因は、相続人間の争いだけではありません。金融機関が遠いこと、仕事や家事のために手続の時間を確保できないこと、相続関係が複雑であることも、弁護士に相談する十分な理由になります。
相続手続を放置すると、相続登記や相続税の申告などの期限が過ぎるだけでなく、相続人が死亡することによって関係者が増えてしまい、手続がいっそう複雑になります。「何から始めればよいか分からない」という方や、「自分で進める時間がない」という方でも構いません。
多治見市や岐阜県東濃地域・可茂地域の相続手続についてお困りの方は、まずはお気軽に多治見さかえ法律事務所へご相談ください。