配偶者からのDV被害といえば、夫の妻に対する暴力をイメージする人が多いと思います。
しかしながら、昨今、夫の方がDV被害者となるケースが増加しており、「夫=加害者、妻=被害者」とは限らないのが現状です。
これは「逆DV」とも呼ばれますが、今回は、妻からDV被害を受けている夫が取るべき対処法について、お伝えしたいと思います。

1 相談機関に相談する

まずは、配偶者暴力相談支援センターDV相談ナビといった、地域の相談窓口に相談することをお勧めします。DVシェルターは女性向けのものが多いため、相談窓口を利用することで、男性が利用できるDVシェルターを紹介してもらうこともできます。
また、DV妻は精神的に不安定な人が多いため、包丁等の危険な凶器を持ち出されることもあります。身の危険を感じる場合には、速やかに警察に相談してください
相談機関に相談しておけば、妻からDV被害を受けていたことを証明する証拠にもなります。

2 絶対にやり返さない

妻からDVを受けていることを、恥ずかしくて人には言えないと感じてしまい、ひたすら耐えている夫も多いです。
そして、ある日、ついに我慢の限界に達してやり返してしまったことで、暴行罪・傷害罪で逮捕・勾留されてしまうという方もいます。そうなると、夫はDV被害者ではなく、DV加害者になってしまい、前科・前歴までついてしまいます。
どんな事情があっても、手を出したら負けですので、絶対にやり返さないよう注意してください。

3 離婚問題に精通した弁護士にご相談ください

DV妻の対応に我慢できず、ついやり返してしまったことで、暴行・傷害事件に発展してしまい、警察沙汰になってから、慌てて、弁護士のところに相談に行く夫もいます。
しかしながら、DV夫というレッテルを貼られてしまうと、離婚交渉に不利になりますし、妻から慰謝料を請求されかねないため、このような事態に陥る前に、離婚問題に詳しい弁護士に相談することを強くお勧めします。
また、DV妻に対して離婚の話をすれば、DV妻が逆上して、事態が悪化する危険性もあることから、ご自身で対応することは難しいと思います。
助けを求めることは、決して恥ずかしいことではありません。手遅れになる前に、勇気を出して相談してください。